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​想定敷地​​​​

廻りは海に囲まれており、その先には3方向に島が見えてくる。背後には高い山がそびえ、近くにはこの町一番の浜がある。想定する敷地は浜から近い小高い丘に位置し、廻りには木々が立ち並ぶ。
海、島、山、浜、丘、森、と半島独特の周辺環境が重なり合う。
そんな敷地を想定する。

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​​​​​​検討案① 『展望台をもつゲストハウス』

​たくさんの人々にこの素晴らしい周辺環境を満喫してもらうために、併設施設としてゲストハウスを想定する。そして、このゲストハウスの目玉となるような展望台の計画し、訪れた人が半島の魅力を存分に感じ、素敵な思い出を残してもらえるように考えた。

設計手法として半島の周辺環境を引込む為に、3方の島及び半島の方角に軸線を設定した。その軸線をそのまま敷地に取り込み、軸線に沿ってRC造の構造体を計画して3次元的に組むことでゲストハウスの骨格とする。この骨格の軸線上には島々があり、常に半島を感じて生活することができる。またこの骨格の上部を展望台に活用することで、構造体自身が島への方角を示す羅針盤ともなる。

さらに、RC造の骨格を取り巻く形で、木造の箱を計画し内部空間を創出した。この木造の箱は、個室や水廻りなどのプライベートな領域と、キッチンやリビング・ダイニングなどのパブリックな領域に分かれており、ゲストハウスを併設した住宅という特殊な用途にも対応できるように考慮した。

力強いRC造の構造体と、日々刻々と変化する生活を反映した木造の箱。

それらが入り乱れることで、多種多様な内部空間や外部空間が出現する。

​この「展望台をもつゲストハウス」では、常に半島の周辺環境を感じながら、生活が営まれていく。

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​​​​​​検討案➁ 『漁村住宅並列型「改」』

半島ならではの建築・暮らしの実現を目指して、半島でよくみられる「漁村住宅並列型」というタイプの、いわゆる昔ながらの家に着目した。それと同時に、半島がもつ独特な場の特性をこの計画に落とし込むことができないか、ということを考えていった。
そこで、従来の漁村住宅の空間構成を、屋内・屋外・半屋外に分けて抽出し、その平面を再構成することを考えた。どうやら、従来の漁村住宅では行事や大漁の日には多くの人を招いて宴会を開く習慣があるようで、その際には3室並んだ部屋の間仕切りを開放することで、大部屋として一体利用していたよう。本計画においても、中庭側の窓を開放することで、庭も含めて居室を一体利用出来る計画とした。
平面を再構成した『漁村住宅並列型「改」』では、庭の空間を内部側に入り込ませる構成とすることで、開かれているがどこか閉じているような、安心感があり居心地のよい場を創り出すことを考えた。昔ながらの住宅の佇まいをしながら、どこか半島独特の場の特性を感じることのできる、そんな「ある半島の家」を目指した。

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​□原案

半島で良く見られる、漁村住宅の並列型というタイプの空間の構成を抽出して再構成していくことで、半島固有の開かれているようでどこか閉じていて安心感があるような場の構成を住宅に落とし込む。

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​□断面検討案

居室の高さは利用用途を考慮して、居間 > 客室 > 座間 の順に高さが高い方が良いと考えた。居室側はその順番に沿って天井高が高くなる片流れの大屋根の構成とした。片流れの大屋根とすることで一体感もありながら、それぞれの場所ごとに空間の質が変化していく。また、庭についても同様に 前庭 > 中庭 > 奥庭と、奥にいくにつれ高さが抑えられるので、空間全体に奥行が生まれて拡がりのある場になると考えた。
水廻りについては、居室側と分節することで、建物全体の圧迫感を抑えることとした。

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​​ある半島の家

​ある半島を想定して住宅の計画案を展開していく。
背後には山があり、廻りが海に囲われて、その先には島が見える。

​そんな独特な環境下で、建築はどのように振舞うべきかを探求する。

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